医師国家試験受験記(第三章)

第三章:医師国家試験とは

まずは、一つお詫びしなければなりません。国家試験の過去問を解いた上で分析する、と云う話だったのですが、まだ解き終えていないのです。良くない事なのは分かっています。
しかし、10月1日から本日(3日)まで、国家試験の模擬試験(以下、模試と表記)を受けまして、なかなか分析を進められなかったと云うのが実情です。このまま分析が遅くなるのは、非常に悪い事なので、この模試を使って分析する事に致します。
実際に模試を受けてみると、驚くほど明確な結果が出ました。
(なお、今回の結果は模試の自己採点に基づく為、全国平均や実際の合格ラインなどは分かりません。従って、108回医師国家試験を想定しお示しします)
出たのですが、それについては次回整理して発表致します。

今回は、医師国家試験(以下、国試)のルールを中心に説明致します。

まずは次回の国試が109回医師国家試験だと云う事を覚えておいて下さい。
基本的に一年に一度あります。
しかし100年以上前からあった訳ではありません。私の親の世代までは半年に一回ありました。
経費削減のために、試験回数が減ってしまったのは残念ですが、そういう時代なので受け入れるしかありません。
その一年に一度の試験ですが、2月の第一土・日・月曜日の三日間(次回は2月7~9日)です。
三日間とも9:30~17:00で、合計約2時間の休憩があります。
各日大問が3つ出題され、合計で500問解かなければなりません。
1日目はA問題・B問題・C問題、2日目はD問題・E問題・F問題、3日目はG問題・H問題・I問題が出題され、各々が各論・総論・必修のいずれかに該当します。
各論とは、具体的な疾患に関する治療法や症状の特徴、疫学的なデータについて問われる事が多い問題です。例えば、胃癌の中でも、Ⅳ型の胃癌について問われるのです。
総論は、もっと大きな枠で、或る患者の状態はどういう事が原因と考えられるか、といった事や胃癌とはそもそも(以下略)の様な、各論に比べるとざっくりとした話が中心の問題です。
必修は、医学的な常識問題が中心だとお考え下さい。
大別すると、こんな感じですが、更に、一般問題、臨床実地問題、長文問題に分けられるのです。
一般問題とは、この病気のこれって大抵はこんな感じだよね、って事を問われます。
臨床問題は、具体的な患者が設定されて、これはどうかな、と言った感じ。
長文問題は、実際に一人の患者が運ばれて来て、どんな検査が必要ですか、その次に何をしますか、今後何に気を付けなければいけませんか、と言った感じで、一つの症例に対して、複数の出題がなされます。
因みに、マークシートですので、知らなくても分からなくても、或る程度の得点は可能です。
但し、問題によって、二つ選べ、三つ選べ、と指定があるので、これが厄介なのです。
そして、国試にはもう一つ重大な問題が隠されているのです。
それは、【禁忌肢】と呼ばれるものです。
これをやってしまうと、取り返しの使いない事になる!という内容の選択肢です。
例えば、鬱病の患者を励ます(高確率で自殺)だとか、ペースメーカーを付けた患者をMRIで検査する(ペースメーカーが故障)だとか、15歳女性に腹部レントゲン撮影(妊娠してるかもしれない)だとか、そう言うやつです。
これを3つ以上選んでしまうと、他の問題が全部合っていても、不合格になるという仕組みなのです。

大凡、国試とはこんなものです。
あ、大事な事を言い忘れました。
合格率は常に9割程度になるように調節されています。
そして、各医学部は、国試合格率を競わされています。
何が起こるか想像に難くないですね。

不合格になりそうな学生は、国試を受けさせてもらえないんです。
つまり、卒業させてもらえないんです。
そういう細工をした上での合格率9割ですから、実際には医学部6年生の7割程度しか合格しないんです。
更に言えば、医学部に入学した人間の3割は6年生になれないのです。
医学部合格=将来の医者、なんて目で見ないで下さい。
医者になる可能性が高い人間、それが医学生なのです。

つまり、私も医者になる可能性が高い人間に過ぎない、と言う事です。
努力せねば。

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国家試験まで残り127日
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2014年10月03日